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zoom RSS ニューカレドニア物語 5

<<   作成日時 : 2005/07/26 17:59   >>

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食事は船長さん以下の上級船員だけが集まって特別食堂で食べる。生き残りのこのぼろ船でも食堂はアールデコ調の彫刻がされた家具で落ち着いた雰囲気だ。食事中はボーイさんが立っていて、なにかと面倒を見てくれる。

機関長が、一度機関室に来ないかと誘ってくれた。大きなディーゼルエンジンが轟音を上げていた。油くさい。直径1mくらいあるプロペラシャフトが2本高速回転で動いていた。船の一番奥まで入ると、これ以上は入れない。この外にはスクリューがついて回っているのだと教えてくれた。

おんぼろ船でも7ノットくらいで一路南へ。マリアナ諸島、カロリン群島を過ぎて、東京を離れて1週間。まもなく、赤道を通過する。

船長から、船が赤道を過ぎるときには盛大に「赤道祭り」をすると聞いていた。赤ら顔の大きな鬼が鉄棒を持って振り回し、とうせん棒をするのだそうだ。赤道には赤いロープが横たわっていて、これを力強く持ち上げないと通過できないのだと言う。

初めての船旅。心ワクワク。鬼が出たらどうしよう。拝み倒して通してもらおう。そのときは何語で言えばよいのか。日本語はだめだ。英語、フランス語、いや、鬼語か。夕げ時、船長から先ほど無事に赤道を過ぎたと伝えられ、お赤飯とお神酒が出て、公開の無事を祈ったのだった。そして、「赤道通過許可証」をいただいた。

なあんだ、こんなものか。戦前、よき時代の客船では「赤道祭り」をしながら、退屈な時間をすごしたのだろう。

ニューギニアの東端しに戦争で有名なラバウルが、ここだと教えられた。「ラバウル小唄」が思い浮んだ。山本五十六・海軍大将は敵戦闘機・P−38に集中砲火されて、このブーゲンビル海で名誉の戦死をしたと、子供心に覚えていた。「うみゆかば、しずくかばね」の軍歌を思い出した。

ニューカレドニアの島影が見えてきた。太平洋戦争中は、ゼロ戦が島の北側から侵入、偵察飛行を繰り返し、日本の潜水艦がスパイを上陸させたようだ。

ニューカレドニアは、四国くらいの面積だが沖縄のように細長く、船で寄港する南の端のヌメアまであと一日の航海。南回帰線の南緯22度に浮かぶ。夜は南十字星を眺めることにしよう。

(続)

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